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2010年9月11日土曜日

経営に活かすクラウド(2)

前回はクラウドの概論についてお浚いをしました。いよいよ、今回は経営視点でのクラウド活用について考えてみましょう。
今回は、SaaSに焦点を当て、どのように経営へ寄与するのかをまとめてみました。

1)オフ・バランスによる経営の効率化
  IT資産を経費計上することにより、資産運用の効率化が図れ、また経営効率・企業価値の向上に寄与します。

2)IT維持管理からの開放
 ノンコア業務のアウトソース化により、管理人員の抑制や要員の上流工程へのシフトが図れ、本業への回帰が図れます。

3)経営環境の変化へ柔軟に対応
 短期間で必要とするIT環境を必要なだけ導入することができるため、事業の統廃合や急速な拡大に柔軟な対応が可能です。

4)業務専門性による業務品質の向上
 平準化されたシステム導入により、既存業務の標準化が推進でき、業務品質の向上やスピードアップが図れます。

5)事業継続対応の実現
 データ保全やシステムの冗長性、管理要員の常駐等、データセンタによるにて災害・障害発生などの緊急時での事業継続性が高められます。

如何ですか?クラウド環境をうまく経営に活かす事ができれば採用しない手はないでしょう?
しかしながら、「何を、どの業務に、どう適用するか」をしっかり考えないと逆に非効率となり、経営への足枷となりかねません。

この辺の相談はITコーディネータまでご相談を。

2010年9月5日日曜日

経営に活かすクラウド(1)

以前、クラウドコンピューティング(以下、クラウド)の話題に若干触れました。(「ASPとSaaSの違い?クラウド? 」2009年9月17日木曜日)
今回、このクラウドが経営に対して、どうような関わりを見せるのかを取り上げてみます。

さて、多様な理解をされるクラウドですが、米国連邦政府の機関で工業技術の標準化を推進している「国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology, NIST)」では、以下のように定義しています。

「Cloud computing is a model for enabling convenient, on-demand network access to a shared pool of configurable computing resources (e.g., networks, servers, storage, applications, and services) that can be rapidly provisioned and released with minimal management effort or service provider interaction. This cloud model promotes availability and is composed of five essential characteristics, three service models, and four deployment models.」

「複数のユーザにより共有され、最適環境を設定・調整可能なコンピュータ資源に、簡易かつオンデマンド・ベースでネットワークからのアクセスが可能な形態のこと。当該コンピュータ資源は、最小限の管理努力やプロバイダの関与だけで迅速に提供され、解除される。」

つまり、「インターネットを介して利用者がサービスの提供を受けるインフラ」を広義に指すのみではなく、実行環境に於いても、利用状況に応じ、柔軟に弾力的に最適な資源の調整がなされ、そして、これらをユーザがサービスとして利用できることに特徴があります。なので、SaaS(Software as a Service)の領域を包含している意味合いが強いことになります。

とは言え、SaaSは利用形態の1つでしかありません。クラウド=Saasではありません。クラウドを構成する利用形態をもう少し分類してみましょう。

●SaaS[Software as a Service]
 → ハードウェアからアプリケーションまでの全てを利用できる
●PaaS[Platform as a Service]
 → ハードウェアやOS、DB、開発ツール等の開発・実行環境を利用できる
●IaaS[Infrastructure as a Service]
 → ハードウェアとその稼動に必要なファシリティ等を利用できる


言葉の定義を云々言っても仕方がありませんが、クラウドは「オンデマンド・ベース」で「必要とする資産や業務領域をアウトソースする」形態なんですね。

その中でも、SaaS活用に於いては、メリットがより大きく、経営効率化を図ったり、事業の継続性が保てます。

今回は前段のお話が中心になってしまい、文章が長くなってしまいました。これらが経営に関わる部分は、次回(来週)にします。

2009年9月17日木曜日

ASPとSaaSの違い?クラウド?

さて、前回の話で「SaaS(Software as a Service):サースまたはサーズと呼ぶ」が出てきました。今更ですが、「SaaS」って何でしょう?従来聞かれた「ASP(Application Service Provider)」と比べて、何が違うんでしょう?今回は、これをテーマにしましょう。

まず、「ASP」は1998年~99年登場しました。「特定及び不特定ユーザーが必要とするシステム機能を、ネットワークを通じて提供するサービス、あるいは、そうしたサービスを提供するビジネスモデル(ASP白書2005)」と定義されています。

利用者は、必要な機能をダウンロードし、自身のパソコンにインストールする形態もありますが、主として、データセンターに配備されたアプリケーションパッケージを利用者がインターネット網を介して使用する形態となります。利用者はソフトウェアを自社資産として所有するのではなく、定額固定料金を支払い、使用権を得ます。また、契約企業は利用者の増減にも柔軟に対応できるため、導入が容易です。

しかしながら、想定していた程の普及には至りませんでした。原因としては、何点かの課題が存在していたためです。ブロードバンド環境が普及途上であったことやアプリケーション自体がWeb環境に最適化されたものではなかったこと、貧弱なシステム外部連携(API)などがその要因です。セキュリティ面でも不安が払拭しきれなかったとも言えます。

そこで、数年のブランクを経て、「ASP」は、技術的な向上と先進的な考えを携えて、「SaaS」として生まれ変わるに至りました。では、その「技術的な向上と先進的な考え」って、何でしょうか?それは主に、以下を有することが挙げられます。
 
1)仮想化技術によりシステム資源を動的に割り振るマルチテナント化
2)柔軟なカスタマイズ性により業務への対応範囲が拡大しコストを抑制
3)親しみ易いユーザインタフェースにて操作教育に要する時間が短縮
4)ウェブサービスという標準技術による有機的なシステム連携の実現
 
とは言え、デメリットもあります。例えば、カスタマイズ性は高いと言えども、大幅な対応は困難です。また、排他制御に弱く、勘定系には不向きです。そのため、基幹業務系、特に販売管理業務(受注からの在庫引当や出荷連携など)や生産管理業務(所要量計算や工程・進捗管理など)は考えねばなりません。また、環境やデータ移行の面から、易々とサービスベンダーを乗り換えることは困難となり、企業の規模的な拡大には柔軟に対応できるものの、生モノである経営戦略やIT戦略がサービスに合致しなくなった際には厄介です。末永いお付き合いが求められます。

なお、「クラウドコンピューティング」とは、利用者側の目線で使われる言葉であり、「インターネットを介して利用者がサービスの提供を受けるインフラ」を広義に指すようです。因みに「クラウド」とは「雲」のことですよね。これは、インターネットを使った全体システムイメージを図式化する際にモクモクの挿絵を使うことが多く、そのイメージで「クラウドコンピューティング」と名付けられたようです。では!

2009年9月14日月曜日

IT化は経営戦略との整合を!

まだ始まったばかりですが、いやぁ、継続すると言うのは大変ですね。。。まぁ、気軽に行きますよ!

さて、前回は、目標とするビジネスプロセスモデル(あるべき業務プロセスと、これを遂行するIT環境)の策定までをまとめました。さぁ、これから、具体的にIT戦略の策定に入りますよ。これまた、早足にですが。。。

その前に、先ずは、「目標とする業務プロセス」の策定を行います。既存業務の見直しや、組織や役割の変更などの検討です。その後、ベストプラクティスなどを参考に「目標とするIT環境」を策定します。大切な点としては、「人間系とIT系の振り分けを考える」必要があります。

そして、その次に、「目標とする業務プロセスとIT環境」に対する現状のギャップを分析します。その結果を踏まえ、経営戦略の優先度や難易度、投入可能な経営資源、投資対効果などを評価して、達成目標や新業務プロセス、ITサービス範囲・レベル、推進体制、投資額、評価項目などを決定します。同時に、導入方式(パッケージソフトへのフィッティング型導入や個別のスクラッチ開発など)や運用方式(自社運用やアウトソーシング、SaaS活用など)も決めます。

これらを「IT戦略企画書」としてまとめ、経営者に合意・承認を貰います。その後は、このIT戦略企画書に基づき、短期計画を抽出し、IT調達フェーズに引き継げるよう、現行業務や現行システムの移行方法を含め、具体化します。

「IT化の実現機能や操作性、レスポンス性能、システム稼働時間、システム障害時保証などのITサービス方針の決定」と、「経営戦略目標の達成度評価を行う項目、補足方法、評価タイミングの抽出、評価方針の決定」も非常に大切です。これも、経営戦略策定フェーズ同様に、「重要業績評価指標(KPI:[Key Performance Indicator])」と「経営目標達成指標(KGI:[Key Goal Indicator])」を明確にします。

経営戦略に整合したIT戦略を立てた筈なのに「うまくいったか、どうだか分からない」では困ります。何のために、何を、いつ、どのように、誰が導入し、どうなるべきかは事前に決めなければ、また、進捗の指標を持たなければ、次のフェーズである「システム導入」に向けて提案依頼(提案依頼書(RFP:[Request For Proposal])の発行)ができませんよね。

最後に、IT環境の調達と導入方法を決定し、ステアリングコミッティ(プロジェクトの運営委員会)及び経営者から合意・承認を得ます。
このような段取りを経て、IT環境の調達を計画します。適切な費用と要求した品質で所定期間内にベンダーからシステムを調達できるよう、詰めなければならないことは山盛り。この先は次回以降で。