2011年3月26日土曜日

代わりに経営すれば?

先日、ITコーディネータ(以下、ITC)と経営コンサルタントの立場・立ち位置について書きました。

自己防衛ではありませんが、ITCは「経営者の立場に立ち、経営戦略に整合するIT戦略を成功に導くための助言・支援を行う者」と説明しました。「経営者に成り代わること」はしないと書きました。

再度このテーマを取り上げたのは、今週、船井総合研究所を設立した経営コンサルタント・船井幸雄氏の著書「退散せよ!似非(エセ)コンサルタント」なる著書を読んだからです。

私自身、コンサルタントではありませんが、あまり気分の良くなる本ではなかったため触れてみようかと思います。本書のように個人名を挙げてまで批判する船井氏の真似はしたくないのですが。。。

著名な船井氏の名は知っておりましたが、今回、初めて著書を拝読しました。本人曰く「最高傑作」とのことで期待をこめて。

残念ながら、私自身、カリスマ性は感じられませんでした。普段から「コンサルタント」を毛嫌いしているからでしょうか?矛盾だらけの内容が目に付きます。(同氏が過去に執筆した著書のプロモーションも目立ちます)

本書では多くの医師を非難し、名医が少ないと嘆いています。名医とは5万件のオペを経験しなければならないと書かれています。「1日に朝、昼、晩と3件のオペをしたとしても、1ヶ月で約90件。1年間で約1000件、(中略)5万件に達するまでには50年」(本書引用)。

多彩な症例を求めて中央に集中する医師に拍車が掛かり、医師不足に嘆く地方は救われません。症例に乏しく、命懸けで患者と向き合う医師からすると本書は気分を害すると思われます。

「土日に代休がほしいというような社員はダメ人間」「(土日に遊んだり休み人は)人間として生まれてきたのに、もったいない」などの記述も価値観は十人十色。何処から何を見るべきかは客観的に判断すべきです。私見と明記されればいいのですが。

価値観の違いはさて置き、船井氏の尺度で「インチキ」だの「ダメ人間」だのと言うのは言い過ぎではないかと思わざる得ない点が散見されます。

船井氏のコンサルは「関わらずとも成功すべきところに関わった成功」であったのではないかとさえ思えてしまいます。(余談ですが、「東大・京大100%排出の予備校」と作るのは簡単です。申し込み時に受からなかった、または東大・京大以外の受験者は中途退校させればいいのです。)

少々、教祖的な要素を持っていらっしゃる船井氏。ただ、一般的ではありますが感銘を受ける部分も若干はありました。まぁ、船井氏の志を継ぐ船井総研に任せれば日本の企業は1社残らず、廃業することはなくなるでしょう。自身が出資する宗教的な企業群が、ご自身またはお弟子さん達のお力で一刻も早く経営難から立ち直ることを祈願いたします。

2011年3月19日土曜日

がんばろう、日本!

東日本大震災の情報が毎日、色んな形で届けられます。日を増すごとに、被害の深刻さで胸が締め付けられます。今日、ネットニュースを見ていたら岩手の小学校で行われた卒業式の写真が掲載されていました。

この写真には卒業証書を片手にジャージ姿で祝福を受ける卒業生たちが写されており、その周りには迷彩服を着た自衛隊員や地元消防団員がアーチを作り、卒業生を送り出していました。写真から暖かさが伝わってきます。寂しい中での感動の1枚でした。

さて、日本経済も深刻な打撃を受け、復興までは長期化する見込み。主要銘柄も軒並み株価を落としています。今は我慢の時。。。しかしながら、一時的には経済は落ち込むものの、その後の経済は需要の拡大から成長に転じる公算は大きい。

さぁ、一丁、やったりましょか!被災地への復興支援が日本を一つにします。そして、日本を基点に経済をブンブン回しましょう!日本人のド根性を世界に示しましょうよ!

いまいち気分が乗りませんが、次回からはITと経営に関するコメントを書いてゆきたいと思います。日本が元気になるために。

2011年3月12日土曜日

地震災害のお見舞い

昨日11日に発生した東北地方太平洋沖地震に於きましては、日本列島に甚大な被害を及ぼしました。
被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

直接または間接的にも被害に遭われた方も多いと存じます。ご家族やご親戚と連絡が取れない方や、お仕事面で業務遂行が困難となっている企業もあろうかと思います。私自身、次々と入ってくる速報に愕然としてしまいます。

今回の情報発信はお休みとさせて頂き、一人でも多くの無事を願い、皆様に笑顔が戻る日を待ちたく思います。

2011年3月6日日曜日

自分を知っているのは自分!

昨今ではコンサルタントやコーディネータが実に多く、どんどん増えていますね。国家資格や民間資格でも多岐に渡って存在しています。

そこで、「コンサルタント」とは、どういう仕事なのでしょうか?ちょっと調べてみました。概論としては、「業務または業種に関する専門知識を持って、主に企業(まれに行政など公共機関)に対して外部から客観的に現状業務を観察して現象を認識、問題点を指摘し、原因を分析し、対策案を示して企業の発展を助ける業務を行うこと」(Wikipedia)とあります。

一方、我々、ITコーディネータ(以下、ITC)は、「経営者の思いや企業理念、企業価値観を理解・把握し、経営者の立場に立って、経営とITを橋渡しして、真に経営に役立つIT化投資を推進・支援する」とあります。

つまり、ITCは「経営者の立場に立ち、経営戦略に整合するIT戦略を成功に導くための助言・支援を行う者」なのです。経営者が思い描く姿を実現するための道筋を顕在化させる作業方法をご支援するのであって、航路を描く(ナビゲートする)ことはしません。計器類の見方を説明したり、今いる場所を知るための道具を授けるまでです。経営者に成り代わることはしません。

経営戦略の策定及び、ここから抽出されたIT戦略領域を中心とし、経営を理解した上でITの利活用を推進できる力を有する必要があります。そして、問題点の発掘から分析、対策案をまとめるのは企業側です。つまり、企業側自らが答えを見出し、実施し、成功するまでの各プロセスに、ITCは経営者の立場に立った助言・支援を行い、IT経営の実現を目指します。ITC自らは答えを出しません。

コンサルタントとは少々、立場・立ち位置が異なるようです。また、IT化領域への特化に関しても異なります。

あくまでもITCは、「助言・支援」まで。「何だ、答えも出さず無責任やな」と、思われるかも知れませんね。でも、企業側が答えを見出し、PDCAサイクルを回す知識・方法をITCは持っています。

コンサルティングとコーディネートは、表現方法の違いだけかもしれませんが、以前、お客様から言われたことで、「コンサルタントは要らない。あるべき論が正しいのなら自らが会社を興すはずだ。コンサル会社に所属しなくとも、儲かる根拠があるならば銀行やベンチャーキャピタルから快く資金調達ができるはずだし。責任もとらないし。」と。

どちらにせよ、両者は依頼企業側に密着し、あるべき姿を目指して共に情熱を傾けることが大切なのでしょう。過去の事例や一般論、持論を押し付ける「最初から答えありき」の誘導コンサルティングやコーディネートは要注意です。本来、すべきことは自社が一番知っているはずです。社外の者では解りません。答えは社内に潜在化、または顕在化しているのですから、自分自身(自社)を一番知っているのは、自分(社員)なのですから。