2011年4月23日土曜日

その仕事、役立ってますか?

先週、財務会計に関わる仕事があり、その中で「プロジェクト管理」・「セグメント管理」に触れましたので、今回のテーマに。

さて、財務会計では、大きく「一般会計」と「管理会計」に分類され、「一般会計」では、ある会計期間に於ける現状や結果を財務諸表に落とします。一方、「管理会計」は決められた書式は無く、会社の数だけ管理手法が存在します。また、「管理会計」では、経営者の戦略立案支援をはじめ、実務者への「モチベーションの向上」に寄与します。

中でも、「セグメント管理」では、多面的な切り口で財務状況を把握するのに役立ちます。その切り口としては、部門別や商品別、顧客別に係数を管理することに加え、営業拠点を跨いだ地域別であったり、部門や地区横断プロジェクト別であったり、情報システム部門が関与して売上増加・経費削減に寄与したコスト係数であったり、期間を要した割りに利益が得られていないプロジェクトを把握したり、と様々です。

会計期間に捕らわれず、採算性の管理を行う上で、効率・非効率な部分が見えてきたり、相乗効果(シナジー)を見出せたり、逆に双方が足を引っ張っていたり、を把握することができます。

決まった視点でのみ数字を見ていると、現場(ライン)担当者はこの指標のみをKPI(Key Performance Indicator[重要業績評価指標]))化し、全社的な期待度が下がってしまうこともあります。特に間接部門担当者(スタッフ)は自己の貢献度が見えにくく、適切な評価も受けられないケースも出てきます。多面的に管理・評価、そして見える化することにより、全従業員のモチベーションも高まり、経営戦略・事業別戦略・部門戦略・個人の戦術も実現性を持つだろうなぁ、と思う今日この頃です。

日々の皆さまのお仕事は、経営者が掲げる目標のどの部分に貢献しているのでしょうか?この繋がりが見えないと「馬車馬」のようで、虚しくなっちゃいますよね。。。

2011年4月16日土曜日

思い出は100年保存!

西日本では以前に増して、物量の動きも徐々に目立ち出し、西高東低の傾向が感じられます。復興に向けて先ずは西日本からでもニッポンを元気にしたいと思います。経済が回らないことには、何ともなりませんもんね。

さて、前々回(2011年4月3日「災害対策はヒトを中心に!」)では、BC/DR(事業継続・災害対策)に触れました。一方、個人の生活に目を向けると、この東日本大震災に於いては、思い出の写真がたくさん津波で流されてしまいました。残念です。1枚でも多く収集されれば幸いです。

今後、震災や火災に備え、また劣化等も考慮すると、アナログデータをデジタル化し、そのメディア(データ保管媒体)を考慮する必要がありますよね。

私の場合は、最近益々安価になっている大容量ハードディスクに正副二重でデータの保管を行っています。とは言え、ちょっと心配。最近撮影した家族映像はSDカード経由でテレビ録画機としての「Blu-ray Disc」へバックアップ。残念ながらパソコンにはDVDドライブしか搭載されていないので、パソコンで管理されている住所データや名刺、年賀状イメージ(約20年分をドキュメントスキャナでPDF化)、家族写真やビデオ(DVテープ時代のモノをAVI[動画非圧縮形式]ファイル化)などはハードディスクに。

前にも書きましたが、CDやDVDと同じ直径12cmのBlu-rayは、1層に25GB、2層式では50GBの容量を持ちます。新規格である「BDXL」は最大で記録面4層の128GB。今では、DVDの218枚分に当たる1024GB(1TB)の製品化が予定されています。

やはり、収納面やコスト面でも重宝されるプラスチックの円盤は長期保存でも安心できます。(記録面がお日様に照射される場所に放置するとデータ読み込みができなくなるので要注意!)
但し、記録方式(媒体形式や圧縮形式、バージョンなど)の規格変更が今後も凍結せずに新技術に追随して移行して行きますので、随時、下位互換を考慮して過去データを引き継がねばなりません。VHDやβビデオなど、そのままにしていませんか?

2011年4月9日土曜日

フリーミアムと言う餌を求めて

Microsoft Windows 95の発売以降、パソコンの普及率と共に、インターネットのプロバイダ契約者数が驚異的も伸張しました。これにつれて、プロバイダ基本料やパソコンそのものも高機能低価格化が現在でも進行しています。また、これに対応すべく、ネットワークインフラも年々、整備されています。

さて、ネット家電やスマートフォンなど、現在では「インターネット接続無くして生活はできない」と言っても過言ではありません。しかし、これらの動向はインフラやハードウェアのみが成し得たものではありません。

インターネット網の先には幾つものサービスが存在し、これらを享受することで世界中の人々が繋がり、情報を共有し、豊かな生活に繋がっているんですね。

そのサービスの中でも最も、インターネットの普及に貢献しているのが「無料サービス」です。Yahoo!やGoogleのように、利用者は料金を支払わなくともサービスを受けることができます。

最近の言葉では、これを「フリーミアム(Freemium)」と呼びます。

フリーミアムとは、「フリー(無料)」+「プレミアム(割増料金)」が合わさった造語。無料でサービス提供することで顧客をたくさん集め、その何割かに有料で高機能サービスに誘い込むビジネスモデルを指します。

例えば、Yahoo!やGoogleでは無料でメールアカウントを取得し、メールの送受信が自由に行えます。但し、メールには広告が表示され、またメールボックスの容量にも制限があります。しかし、小額ながら有料サービスに移行すれば、これらの制限は外されます。
他にも、無料インターネット電話のSkype(固定電話へは有料)や、オンラインストレージ(データセンタにある大容量のハードディスクを容量・バックアップ共に無料で使用する)、ゲーム、動画配信サービス等、様々です。

一般的には、95%が料金を払わない無料ユーザであっても、残り5%の有料ユーザがいればビジネスは十分に成り立つと言われています。(百貨店やスーパーでも会員へのダイレクトメールは、全員に案内するよりも上位顧客(上顧客)へ注力する方が効率が良く、数字に繋がります。)

何もインターネットに関わる世界のみのことではなく、「先着○○名様無料」や「コーヒー1杯無料」、「会員様への粗品進呈」など、身の回りには「餌」がたくさん落ちています。釣られても痛手を負わず双方のメリットが生じる(Win-Winな関係構築ができる)「美味しい餌」を選んで食べるようにしましょう。

2011年4月3日日曜日

災害対策はヒトを中心に!

福島第1原発2号機から汚染水が流出するなど、新たな課題も報道される中、東日本大震災の復興は少しずつではありますが、着実に進んでいると思われます。何年先になるか分かりませんが、復興に向け、力を合わせてみんなで頑張りましょう!

さて、被災地に加え、計画停電にて事業に支障をきたしている関東地区ではこれを機に、BC/DR[Business continuity/Disaster recovery](事業継続・災害対策)を見直す企業が増えています。

この震災後、遠隔拠点やデータセンタに基幹データを転送・保管するなど、各種アウトソーシング(SaaS/PaaS/IaaS:2010年9月5日「経営に活かすクラウド(1)」参照)の検討が積極的に思えます。

とは言え、どこまでIT投資を行っても「完璧」には至りません。完璧により近付けるためには「人間系」も勘案しなければなりません。そのため、自社の独自性(コアコンピタンスではなく)や属人的な部分を見直すことも大切です。

自社の優位性を損なわないのであれば、標準化は、IT費用の抑制が見込めるクラウド環境の採用に効果的です。属人化(職人化)された業務や制度はBC/DR上、何らかの足枷になってしまいます。年に数回しか使われていない各種管理帳票や機能、得意先に依存しない請求書など、いつまでも拘り続けていませんか?「あの人じゃないと分からない」、「過去からやっているから」、「前任者から引き継いだだけ」のそれほど重要でない業務ってありませんか?

IT環境(ハードウェアやアプリケーション、通信インフラ、データ等)が稼動していても、業務が回らなければ意味がありません。人とITのバランスを大切に。