2009年9月26日土曜日

日々精進、日々前進

今日は、私事で恐縮ですが、日記風で。
7名と少数ではありましたが、久しぶりにITコーディネータ・ケース研修の仲間と再開。継続学習として、久々に川端先生(一般社団法人 ITC-Labo.代表理事 http://www.itc-labo.com)の講義を受けました。事例を交えての講義(過去を含めてのご活躍やビジネスモデルに関しての内容)は、大変刺激になりました。いつかきっと、我が国の経済社会の発展に寄与できるよう、私も頑張らなくてはなりません。と、言うことで、ITコーディネータは「実績・評価のオープン化」に加え、「継続学習」が義務化されています。いい加減なことが言えません、書けません。日々精進です。
 
その後はお決まりのように、いつもの中華料理屋さんへ。ワインを結構空けたかも(中華でワイン?)。建設的な話に花開きました。全く業種・職種が異なる仲間と共に、ディープな話まで。某財団に属す、永遠の天使、加東さんも参加(人間的な視点が刺激になります)。
表面的な学習に留まらず、知識を幅広く収集し、皆さんに発信してゆく所存です。今後もお付き合いを!

2009年9月23日水曜日

知識もアナログからデジタルへ

シルバーウィークも今日で終わり。ゆったり、まったりと体と頭を休めることができました。さて、今日は本論の経営戦略やIT戦略から離れて「ナレッジマネジメント」についてお話ししましょう。

企業活動の中からは日々、様々な情報が生まれます。もちろん、全てが有益なものとは限りませんが、経営者の経営判断材料であることをはじめ、営業活動の効率化や差別化、顧客サービスの向上、市場が求める商品・サービスの開発など、貴重な「ネタ」として扱われます。 しかし、これらの情報は身近に存在するにも係わらず、意識的に業務での有効性 や機能性を考えていかないと大きな機会損失に繋がると言っても過言ではありません。

情報を活用すると言うことは、競合優位性を確保し、新たなビジネス機会を創造する活動と言えます。 情報を活用するには、言うまでもなく蓄積が必要で、蓄積した情報は共有化が条件となります。 情報の蓄積・共有・活用にはネットワークインフラをはじめ、グループウェアやERPパッケージの導入といった情報基盤の整備が挙げられます。 しかしながら、そういった情報環境が整ったとしても、必ずしも成功には導かれません。 それでは、何が必要とされるのでしょうか?ポイントは3つあります。

1つ目は即時性が求められ、情報の発生時点での蓄積(入力)と共有化がなされ、活用できなければなりません。対象となる情報はERP的に業務連携が図られる基幹系業務情報や現場の「生の声」などの非基幹系業務情報です。 基幹系では、受注・出荷・売上・在庫・生産・購買・原価・会計など、密接に連携がなされ、線引きはできず、切り離すこともできません。そのため、どこかで実績や計画入力が滞ると全体に影響します。 また、時間を置くと情報は陳腐化し、予実の乖離から効率的な実務は図れません。非基幹系に於いても同様に、活用に値しなくなります。

2つ目は、暗黙知の形式知化です。「感じたこと」や「思ったこと」、「気付いたこと」などは「勘や経験」としてアタマに残ります。そのため、アナログな情報をデジタル化し、蓄積する必要があります。 もちろん、これは容易ではありません。職人気質で「勘と経験と根性だ!」では、企業に属す必要性は感じられません。仲間が使える情報に加工しなければなりません。もちろん、「意訳」してもいけません。生に近く、私感を挟まないことが条件となります。

3つ目は企業活動が個人戦ではなく、団体戦であることを全社員が認識することです。Win-Winの精神を持って積極的に情報の開示を図る必要があります。同時にそこから得られる個人成果が全社的な成果であることを全会一致で認知する必要があります。このことから、情報の開示数やその利用度、有効性をKPI化し、人事制度に盛り込む企業も少なくありません。 場所や時間に拘束されず、必要な時に必要とする人が迅速に活きた情報を収集し、活用する。これこそが企業力ではないでしょうか?

このブログでは、私自身の思いの整理と知識のブラッシュアップを図ると同時に、皆さんのお役に立てる情報の提供を通して、一緒に課題の顕在化や解決方法の創作ができればと思います。そのために、積極的な情報開示に努めますよぉ!

2009年9月17日木曜日

ASPとSaaSの違い?クラウド?

さて、前回の話で「SaaS(Software as a Service):サースまたはサーズと呼ぶ」が出てきました。今更ですが、「SaaS」って何でしょう?従来聞かれた「ASP(Application Service Provider)」と比べて、何が違うんでしょう?今回は、これをテーマにしましょう。

まず、「ASP」は1998年~99年登場しました。「特定及び不特定ユーザーが必要とするシステム機能を、ネットワークを通じて提供するサービス、あるいは、そうしたサービスを提供するビジネスモデル(ASP白書2005)」と定義されています。

利用者は、必要な機能をダウンロードし、自身のパソコンにインストールする形態もありますが、主として、データセンターに配備されたアプリケーションパッケージを利用者がインターネット網を介して使用する形態となります。利用者はソフトウェアを自社資産として所有するのではなく、定額固定料金を支払い、使用権を得ます。また、契約企業は利用者の増減にも柔軟に対応できるため、導入が容易です。

しかしながら、想定していた程の普及には至りませんでした。原因としては、何点かの課題が存在していたためです。ブロードバンド環境が普及途上であったことやアプリケーション自体がWeb環境に最適化されたものではなかったこと、貧弱なシステム外部連携(API)などがその要因です。セキュリティ面でも不安が払拭しきれなかったとも言えます。

そこで、数年のブランクを経て、「ASP」は、技術的な向上と先進的な考えを携えて、「SaaS」として生まれ変わるに至りました。では、その「技術的な向上と先進的な考え」って、何でしょうか?それは主に、以下を有することが挙げられます。
 
1)仮想化技術によりシステム資源を動的に割り振るマルチテナント化
2)柔軟なカスタマイズ性により業務への対応範囲が拡大しコストを抑制
3)親しみ易いユーザインタフェースにて操作教育に要する時間が短縮
4)ウェブサービスという標準技術による有機的なシステム連携の実現
 
とは言え、デメリットもあります。例えば、カスタマイズ性は高いと言えども、大幅な対応は困難です。また、排他制御に弱く、勘定系には不向きです。そのため、基幹業務系、特に販売管理業務(受注からの在庫引当や出荷連携など)や生産管理業務(所要量計算や工程・進捗管理など)は考えねばなりません。また、環境やデータ移行の面から、易々とサービスベンダーを乗り換えることは困難となり、企業の規模的な拡大には柔軟に対応できるものの、生モノである経営戦略やIT戦略がサービスに合致しなくなった際には厄介です。末永いお付き合いが求められます。

なお、「クラウドコンピューティング」とは、利用者側の目線で使われる言葉であり、「インターネットを介して利用者がサービスの提供を受けるインフラ」を広義に指すようです。因みに「クラウド」とは「雲」のことですよね。これは、インターネットを使った全体システムイメージを図式化する際にモクモクの挿絵を使うことが多く、そのイメージで「クラウドコンピューティング」と名付けられたようです。では!

2009年9月14日月曜日

IT化は経営戦略との整合を!

まだ始まったばかりですが、いやぁ、継続すると言うのは大変ですね。。。まぁ、気軽に行きますよ!

さて、前回は、目標とするビジネスプロセスモデル(あるべき業務プロセスと、これを遂行するIT環境)の策定までをまとめました。さぁ、これから、具体的にIT戦略の策定に入りますよ。これまた、早足にですが。。。

その前に、先ずは、「目標とする業務プロセス」の策定を行います。既存業務の見直しや、組織や役割の変更などの検討です。その後、ベストプラクティスなどを参考に「目標とするIT環境」を策定します。大切な点としては、「人間系とIT系の振り分けを考える」必要があります。

そして、その次に、「目標とする業務プロセスとIT環境」に対する現状のギャップを分析します。その結果を踏まえ、経営戦略の優先度や難易度、投入可能な経営資源、投資対効果などを評価して、達成目標や新業務プロセス、ITサービス範囲・レベル、推進体制、投資額、評価項目などを決定します。同時に、導入方式(パッケージソフトへのフィッティング型導入や個別のスクラッチ開発など)や運用方式(自社運用やアウトソーシング、SaaS活用など)も決めます。

これらを「IT戦略企画書」としてまとめ、経営者に合意・承認を貰います。その後は、このIT戦略企画書に基づき、短期計画を抽出し、IT調達フェーズに引き継げるよう、現行業務や現行システムの移行方法を含め、具体化します。

「IT化の実現機能や操作性、レスポンス性能、システム稼働時間、システム障害時保証などのITサービス方針の決定」と、「経営戦略目標の達成度評価を行う項目、補足方法、評価タイミングの抽出、評価方針の決定」も非常に大切です。これも、経営戦略策定フェーズ同様に、「重要業績評価指標(KPI:[Key Performance Indicator])」と「経営目標達成指標(KGI:[Key Goal Indicator])」を明確にします。

経営戦略に整合したIT戦略を立てた筈なのに「うまくいったか、どうだか分からない」では困ります。何のために、何を、いつ、どのように、誰が導入し、どうなるべきかは事前に決めなければ、また、進捗の指標を持たなければ、次のフェーズである「システム導入」に向けて提案依頼(提案依頼書(RFP:[Request For Proposal])の発行)ができませんよね。

最後に、IT環境の調達と導入方法を決定し、ステアリングコミッティ(プロジェクトの運営委員会)及び経営者から合意・承認を得ます。
このような段取りを経て、IT環境の調達を計画します。適切な費用と要求した品質で所定期間内にベンダーからシステムを調達できるよう、詰めなければならないことは山盛り。この先は次回以降で。

2009年9月12日土曜日

さぁ、IT戦略を策定しますよ!

ここまで、経営戦略企画書の完成までをまとめてきました。一旦、整理をしてみましょう。

企業理念や経営者の思いに加えて、外部環境(同業者や市場動向など)と内部環境(企業文化や独自技術等の経営資源)」から「企業のあるべき姿」を導く。そして、その実現に向けて検討すべき問題点・経営課題と、その決定的成功要因(CSF:[Critical Success Factors])の「案」をまとめる。

その後、経営リスク(地震や災害、不祥事、情報漏洩および、経営判断に起因する損失等)を考慮して、経営ビジョンを決定。同時に、そのための「ビジネスモデル(課題や業務の流れを構造的に図式化)」を作成し、課題の重要度・優先度と、これに必要な決定的成功要因(CSF)の「最終版」を決める。

これを経営戦略企画書としてまとめ、重要業績評価指標(KPI:[Key Performance Indicator])と経営目標達成指標(KGI:[Key Goal Indicator])を明確にし、各組織単位で実現するための「各組織戦略実行計画書」に基づき展開。大切なのは、これらをPDCA(計画・実行・統制・改善)のサイクルで回す。ふぅ。。。

では次に、経営戦略策定フェーズで導いた「IT化の対象(ITで実現すべきこと、した方がいいこと)」について、IT戦略の策定を行います。

経営戦略策定と同様に「内部環境」分析と「外部環境」分析を行います。経営戦略策定フェーズでは「外部環境分析」から始めましたが、このフェーズでは、「内部環境分析」からはじめます。
「内部環境分析」では、現行の業務課題やシステム稼動環境、社内規定・日常業務に於ける制約条件を分析します。
「外部環境分析」では、先行する同業他社のシステム導入事例の調査・分析・評価をしたり、ITベンダーから技術情報を収集、法規制や業界ルール等の制約条件の確認を行い、分析します。

これらの分析を経て、目標とするビジネスプロセスモデル(あるべき業務プロセスとこれを遂行するIT環境)を策定します。ふぅ。。。

今日はここまでです。次回は、IT戦略策定に入りますよ。

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2009年9月9日水曜日

経営者は気象予報士?

これまで、ITコーディネータのプロセスガイドラインに基づいた経営戦略策定までをまとめてきました。かなり飛ばして書いてきましたが、難しくなってしまいスイマセン。ここでいったんブレークです。

経営者は日々、膨大な情報を元に経営の舵取りを行っています。一歩間違えれば企業は路頭に迷います。過去に些細な判断一つで解散に追い込まれた企業もありますし。とは言え、激動の時代に於いて、先を読むことが如何に難しいかは言うまでもありません。

今回はカリスマ主導者でも、先を読むことがでない事例をご紹介します。正確に未来予測を行うのは非常に困難であり、経営者は予言者ではありません。その時々での時流を読み、経営判断してゆくのですから大変です。

●-> この「電話」なるものは、コミュニケーションの手段としてまじめに検討するには、多くの欠点がありすぎる。我々にとって、この装置は本質的に無価値である。(ウエスタン・ユニオン:社内メモ[1876年])

●-> 空気より重い空飛ぶ機械は不可能である。(王立科学協会会長:ロード・ケルビン[1895年])

●-> 飛行機は面白い玩具だが、軍事的には何ら価値が無い。(フランス陸軍大学校戦略担当教官:フェルディナンド・フォッシュ元帥)

●-> 私が思うに、コンピュータ市場は世界的に見て、多分5台くらいだろう。(IBM会長:トーマス・ワトソン[1943年])

●-> コンピュータの重さは、いずれ僅か1.5トンくらいになるかもしれない。(ポピュラー・メカニックス誌[1949年])

●-> 我々は彼らの音楽を好きになれない。ギターミュージックは消滅しつつある。(デッカレコードがビートルズを否定して[1962年])

●-> 誰もが自分の家にコンピュータを持ちたがるような理由は存在しまい。(デジタル・エクイップメント会長:ケン・オルセン[1977年])

●-> どんな人でも640キロバイト(のRAM)があれば十分なはずだ。(マイクロソフト会長:ビル・ゲイツ[1981年])


これらは技術が係わる「発言集」です。技術改革がここまで飛躍的に向上するとは思えなかったので無理はありませんが。。。そう言えば本日、ザ・ビートルズのオリジナルアルバム全14作品がリマスターされ、長蛇の列ができた模様。当のメンバーもレコーディング時には想定していなかったでしょう。先は読めません。では次回お会いしましょう!


2009年9月7日月曜日

経営戦略企画書の完成!

本日、真っ先に飛び込んできたのが、マリナーズのイチロー外野手が大リーグ通算2000安打を達成したニュース。史上259人目で、日本選手としては初の快挙。おまけに、大リーグ初となる9年連続200安打まで、あと5本!どの分野に於いても、一番になることはスゴイこと。見習わないといけませんね。継続は力なり。ブログ2000話に向けて。。。

さて、今回はこれまでの成果を報告書としてまとめる、経営戦略企画書の作成です。この中身はと言うと、

1)経営環境の現状分析
2)経営のあるべき姿
3)戦略目標と戦略マップ
4)KGI、KPIとその目標値
5)経営改革のための実行計画

が、含まれている必要があります。専門用語を避け、経営者や役員が理解しやすい言葉でまとめます。そして、これを「誰がいつまでに何を行うか?」を考えなければいけません。もちろん実行部門は横断的になります。そのため、必要とされるものが、「各組織戦略実行計画書」です。各部門が何を実行するかをここで決定します。各組織でブレークダウンして実行計画をまとめるんです。実行計画の中には人間系で実行されるテーマもあれば、IT系で実行されるテーマもあります。なので、その中で選択したプロセスの中からIT化の対象が何なのかを決定します。(ITで実現すべきこと、した方がいいこと、しない方がいいこと、すべきでないこと、と区別されますよね。)

ここで言う経営戦略の策定とは、「経営者に代わって、経営の舵取りをすること」ではありません。「経営のあるべき姿を第三者が決定すること」でもありません。「企業理念・使命(経営者の思い)」が根底にあるんですね。合意形成を取ることが大切です。そして、実行結果を検証・評価し、次に反映させる必要があります。Going Concern(継続企業)を目指して!
続きは、IT戦略策定フェーズで。


2009年9月5日土曜日

目標は具体的に、定量的に!

昨日はお客様感謝会が開催され、その後、仲間と打ち上げに。
いやぁ、チョッと飲み過ぎました。。。カラオケでも盛り上がりましたし。とても楽しかったです。はい。

さて、本題に入ることにしましょう。何とも重い内容が続きましたが、できるだけ簡単に次のフェーズをまとめてみますね。

前回は魅力的で現実味のある経営のあるべき姿を決定するまでの流れを書きました。次に行うことは「どうやって実現するか?」です。そのためには、あるべき姿に達するための中間目標(戦略目標)を複数設定します。あるべき姿が満たされるために必要とする条件を決めるんですね。「BMIが22となりメタボを克服する」ためには、「日々の食事内容の改善によるカロリー制限」や「継続的・効率的な脂肪の燃焼」、「近所の奥様達から黄色い歓声を得る」、「体重・体脂肪率・骨格筋率・BMIの測定及び記録」、「第三者への測定報告」、「メタボに関する理解と継続学習の実施」等の必要条件を挙げるんです。質より量で。

そして、この戦略目標間の影響関係を明確にし、成功のための組み合わせを決め、優先順位付けを行います。戦略目標は縦と横の関係を考え、各々の関係性を明確に捉えるためにバランススコアカード(BSC:[Balanced Score Card])の4つの視点(財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点)に落とし込み、影響図を戦略マップとしてまとめます。「メタボに関する理解と継続学習の実施」により「継続的・効率的な脂肪の燃焼」が図れ、結果として「近所の奥様達から黄色い歓声を得る」ことができて、と繋がりを線引きします。

漠然と目標を定めてもゴールに至りません。各戦略目標には状況に応じたコントロールが必要です。そのためにはモニタリングできなければなりません。従って、各戦略目標には、重要業績評価指標(KPI:[Key Performance Indicator])を定め、どの位のスパンでモニタリングするかを決定します。指標は「定量的な指標」である必要があります。また、実施計画に於いてはスリーフェーズアプローチを用いるといいでしょう。即時、短期、中期に実施時期を計画することができますよ。必ずしも3つに拘る必要はありませんので。

 -第1フェーズ:すぐできること、即効性のあるもの
 -第2フェーズ:頑張ればできること、比較的早く結果のでるもの
 -第3フェーズ:じっくりやること、中期的なテーマ

今回はここまで!次回は、経営戦略企画書のまとめに関して考えてゆきましょう。
 

2009年9月3日木曜日

先ずは素の情報を集めましょう

今回は、前回の内容をもう少しブレークダウンしてみましょう。ステークホルダーが期待する企業のあるべき姿(To Be)と現状(As Is)とのギャップを埋める施策として経営戦略の策定があります。まず、今回は経営戦略フェーズの序盤をご紹介します。

「企業のあるべき姿と経営課題」を導くためには、「企業理念・使命(経営者の思い)」に加えて、「外部環境情報(顧客と市場特性他)」や「内部環境情報(経営の成熟度)」から、経営環境分析を行います。主としてSWOT分析やファイブフォース分析が用いられます。その結果、「企業のあるべき姿と経営課題」がまとまります。その後、「経営戦略策定と展開」を図り、「経営戦略企画書」と「各組織戦略実行計画書(IT領域戦略課題)」が成果物として作成されます。何だかややこしいですね。。。

先ずは何から始めましょう?例えば、KJ法(フィールドワークやブレインストーミングから得た様々な情報をカードに記述し、これをグループ毎にまとめ、分類する方法)を使い、自社を取り巻く業界の特性分析:外部分析(世の中・マクロ環境の動向、業界・市場の動向、顧客の動向、競合他社の動向、供給者の動向等)や現状の事業ドメイン:内部環境(経営成熟度の評価)を蓄積します。そして、SWOT分析にて「S:Strength(企業の持つ強み)」、「W:Weakness(企業の持つ弱み)」、「O:Opportunity(事業機会)」、「T:Threat(事業脅威)」に分類します(S/Wは企業の内部環境、O/Tは企業の外部環境)。または、ファイブフォース分析(「供給企業の交渉力」、「買い手の交渉力」、「競争企業間の敵対関係」という3つの内的要因と、「新規参入業者の脅威」、「代替品の脅威」の2つの外的要因、計5つの要因から業界全体を測る)にて、魅力的で現実味のある経営のあるべき姿を決定します。同時に実現に向けてのリスク分析も怠ってはいけません。

今日はここまでです。何だかやっぱりややこしいですね。大切なことは先入観を持たず、ピュアに情報を収集し、分析する。その手法は多々ありますが、SWOT分析やファイブフォース分析と言った馴染みやすい手法で客観的に現状をまとめ、魅力的で現実味のある経営のあるべき姿を決定するんですね。では、続きは次回に!

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2009年9月1日火曜日

気合と根性では頑張れません

朝夕は随分と涼しくなりましたが、日中はまだまだ暑い日が続きます。汗臭くてたまりませんが、気合と根性で乗り越えましょう!少々、硬い内容で長文ですが、お付き合いを。

さて、経営のあるべき姿を目指すためには、明確な経営目標達成指標(KGI:[Key Goal Indicator])を定めなければなりません。この目標がぶれていると会社はとんでもない方向へ進みます。
経営者は、従業員やその家族、株主、得意先、取引先、地域社会等の利害関係者(ステイクホルダー:[Stake holder])を常に意識し、舵取り役を担っています。そのためには、この経営目標実現に不可欠な決定的成功要因(CSF:[Critical Success Factors])を見出す必要があるんですね。

「メタボを克服する(KGI)ために大切なことは何(CSF)か?」を明確にするのは大切です。しかし、メタボの根本原因やすべき事が明確になったとしても健康な体は手に入りません。決定的成功要因(CSF)を導くだけでも大変な作業なのですが、結果を示さなければ意味がありません。また、その進捗を常に認識していなければなりません。そこで、決定的成功要因(CSF)を基にして重要業績評価指標(KPI:[Key Performance Indicator])を定める必要があります。大切なのは「定性的な指標」ではなく、「定量的な指標」を定めなければなりません。

「BMIが22となりメタボを克服する(KGI)ためには、日々の食事内容の改善によるカロリー制限に加え、継続的・効率的な脂肪の燃焼(CFS)が必要であり、明日からの1年間に於いて1日の摂取カロリーを1800kcal以内(KPI)とし、同時に有酸素運動である分速80mでのウォーキングを60分間毎日継続する(KPI)」と決意しなければ目標達成はできません。

「デブはいやだ。気合と根性で頑張るぞ!いつかきっと痩せてみせる!」「テレビを見ながら楽しく痩せるマシンを買うぞ!」と、漠然と目標を定めるだけでは厳しいでしょう?IT戦略に於いても同じです。経営戦略を策定し、これに於けるIT戦略領域課題を明確化する。そしてIT戦略を策定、導入計画、実行、活用、評価、改善を繰り返す。進捗を図ることも忘れてはいけません。

今日はここまでです。まだまだ先は長いので、これからゆっくりお伝えしてゆきます。美味しいビールを飲むために。