2009年12月26日土曜日

企業ドメインで戦え!

クリスマスも終わり、もう直ぐお正月。お休みに入る前に気を引き締めて、チョッと真面目なテーマを選びました。本日のお題は、「企業ドメイン」についてです。

まず、ドメイン[domain]とは何でしょう?和訳すると、「領土・範囲・領域」となります。つまり、経営学上での企業ドメインは、「企業が生存するための活動領域(事業領域)」を意味し、この事業領域は、自社の強みを発揮し、将来のあるべき姿を決定する重要な領域なのです。

この企業ドメインが定まれば、その配下で事業ドメインが選択・決定されます。これらドメインは、事業戦略ポートフォリオ(複数の事業を行う企業に於いて、事業ごとの収益性や成長性を分析し、将来、どの事業に経営資源を配分するかを判断するもの)で示されます。それには、収益性や実現性、事業の魅力、そしてリスクを評価しなければいけません。

この企業ドメインの決定には、SWOT分析を用いたりします。そして、価格競争力や高い品質、多品種、短納期、真似のできない顧客サービス、製品開発能力、などの独自性にて決定したり、市場ニーズを汲み取って決定したりします。

また、「マーケティング近視眼」を論じ、マーケティング分野で中心的な人物と言われているセオドア・レビット教授(ハーバード・ビジネススクール)は「客は1/4インチのドリルが欲しいのではない。1/4インチの壁穴が欲しいのだ」(昨年、1/4インチのドリルが大量に売れたのは、これに魅力を持つ人が多かったのではなく、壁に1/4インチの穴をあけたい人が多かったのだ)という言葉を残しています。

同時に、「写真」「洗濯機」といった物理的定義ではなく、「情報記録」「クリーニング」といった機能的定義が重要であり、米国鉄道が衰退したのは旅客及び貨物が減少したのではなく、「鉄道事業」と捉え、「輸送事業」と定義しなかったこと、と主張しています。物事を広く、また表裏を捉えなければ、領域を狭め、多様化する顧客ニーズを見逃してしまいます。

企業ドメインは、「コンセプト(コーポレート・アイデンティティ(CI:Corporate Identity)も包含」)で示される場合もあります。本田技研工業では、「The Power of Dream」。夢を描き、かたちにしようとするとき、そこには大きな力が生まれると、表現されています。その結果、ドメインはクルマのみならず、ロボットの領域にも広がっていますね。事業ドメインでは、「クルマを救え:Honda Green Machine」を掲げています。その他、日本電気[NEC]では「Empowered by Innovation」、花王「よきモノづくり」など。







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