「言葉」は意思伝達する上で非常に大切な道具ですよね。メール活用が当たり前になった昨今では、言葉の使い方や表現方法、言い回しは大変重要視されています。文章だけでは誤解を招いたりするケースも多々あります。直接面談では顔の表情やジェスチャー、抑揚などから表現が緩和されるケースでも、テキスト(コンピュータで扱う文字列や文章)では、「怒ってるのかなぁ」と、表現がきつく、硬くなったりするので工夫が必要です。
少々次元が異なりますが、「思考」方法も人と人が接する上で悪い事象を良くしたり、その逆にしたりと、見方を変えれば面白いものです。そこで、以下に『邪馬台国はどこですか?』(鯨統一郎著書:創元推理文庫)から少々、引用させて頂きます。(「~」は中略)
【女性】
「日本の教育レベルも地に墜ちたわね~現役の女子大生がソープランドで働いていたっていう記事が~」
【男性】
「日本はトップレベルの教育国になったようだな~だってその記事を信じるなら”日本ではソープランド嬢も大学に通っている”とも取れるからね」
【女性】
「やっぱり料理は素材ね」
【男性】
「料理の素材は悪い方がいい~素材が良ければ生で食べるのがいちばんだ~料理と言うのはね、悪い素材をどうやったらおいしく食べられるかという工夫なんだ」
【女性】
「残虐でやりきれない事件が多発して~なんだか世の中がどんどん悪くなっていくような気がするわ」
【男性】
「世の中はどんどんよくなっている~織田信長は今でいえば総理大臣だろ?現代では少なくとも総理大臣が大虐殺をするようなことはなくなった」
この作品は歴史上の「事実」とされている部分をバッサリ斬るミステリ小説で、歴史上の固定観念を簡単に壊してくれます。お勧めしますよ。最近、「邪馬台国」と言えば奈良県のニュースが流れましたが。。。
さて、表現や見方を少し変えれば如何様にも方向転換が図れます。例えば、「ワンマンな経営者」は傲慢で、社員の声に耳を傾けない「お山の大将」をイメージしますが、「強靭なリーダーシップを持つ経営者」と採れば、自らが道を切り開き、社員をグイグイ引っ張ってゆくプラスのイメージを与えます。同じ人物なのに両面を持ちます。
SWOT分析にて「S:Strength(企業の持つ強み)」、「W:Weakness(企業の持つ弱み)」、「O:Opportunity(事業機会)」、「T:Threat(事業脅威)」に於いて、「ワンマンな経営者と強靭なリーダーシップを持つ経営者」は、「S:強み」でしょうか、「W:弱み」でしょうか?表現や見方の違いでどちらとも採れる場合は両方にプロットしてもいいようです。
●最近の大学生は大麻や覚醒剤に手を染める傾向にある=これはダメ!
●大麻や覚醒剤に手を染める連中が大学に通っている=将来は明るい?
言い方一つで意味合いが180度変わりました。思いや考えを伝達する手段として使われる言葉。モノはいいようですね。

『邪馬台国はどこですか?』
(鯨統一郎著書:創元推理文庫)