さて、前回(2009年10月24日:「リスクを全て洗い出せ!」)までは「IT導入フェーズ」について書きました。ITコーディネータ・プロセスガイドラインに基づき、いよいよ最終フェーズ「ITサービス活用」に移ります。
このフェーズでは、目的は大きく分けて2つあり、「IT導入フェーズ」で構築された新規IT環境の目標達成を目指す活動を行うことと、IT動向を見据えた更なる改善・改革を行うことが挙げられます。
そのためには先ず、サービスレベルマネージメント(SLM)を具体化します。ITの提供部門と利用部門の間でサービス品質を取り交わし、後に効果測定ができ得るようにしておきます。この測定指標は期待以上ではなく、期待したレベルで維持できているかや、使い勝手の良さ、信頼性の高さなどを測ります。
大切なのは測定指標を設けることだけではなく、「いつ、誰が、何処で、どのように」といった測定タイミングとその方法も決定しなければいけません。
その後はサービスレベルの差異分析や改善活動を行ったりします。場合によっては経営の全体最適の観点からサービスの変更要求に対する管理や調整を図ったりします。
そして、IT戦略実行計画書で設定した重要業績評価指標(KPI:[Key Performance Indicator])や経営目標達成指標(KGI:[Key Goal Indicator])の達成度評価を図り、定期的なIT化の総費用対効果を評価します。
原点に戻って、「何のためにこのITを導入したのか?」「その結果、成功したのか、失敗だったのか?」「その失敗の原因、または成功の要因は何だったのか?」「投資に対する効果は?」を、しっかりと考えなければいけませんよね。但し、ここまでがゴールではありません。業務部門とITサービス提供部門は継続的な改善や改革に向けて定例会等を通して、提言活動を行うことが必要です。組織横断的な視点で、経営の全体最適の観点から。
概要ばかり書いてきましたが、これからはポイント毎に詳細レベルまで落として書いてゆきたいと思います。今後もお付き合いを。
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