2010年2月20日土曜日

要件定義と要求定義

日本語は非常にアナログで、解釈が多岐に渡り、ビジネスに於いては誤解を招くことが多々あります。IT化を実現する上では、「仕様の明確化」は非常に重要です。IT導入の初期段階には、「要件定義」が存在しますね。

まず、「要件定義」とは何でしょう?企業・団体毎に解釈が異なるのでしょうが、一般的には、「システム構築や開発に於いて、どのような機能を実装すべきかを決定すること」で、これを書面化し、各ステイクホルダーで合意形成されたものを「要件定義書」と呼びます。

では、この「要件定義書」は本来、誰が考え、作成するのでしょうか?ユーザ(ITを利活用する部門や企業)側か、それともシステム構築・開発を行うベンダー側でしょうか?難しいところですが、答えは「ベンダー側」となります。

ベンダーが要件をまとめ、開発する?ユーザは各合意の場に居るだけ?いいえ、そうではありません。そもそも、要件を定義する上では、エンジニアによる技術的な見解が必須であり、IT資源調達計画後に選定されたベンダーをパートナーとし、外部リソースであるエンジニアにユーザの要求事項に対する次期システム要件を定義させます。もちろん、ユーザ部門・企業の合意が必要なのは言うまでもありません。

と、言うことは、定義すべき要件が存在する前に、要求事項が存在することになります。つまり、「要件定義」 の前には「要求定義(要求仕様)」が必要だと言うことです。これを書面化したものが「要求定義書」です。

この「要求定義書」の作成はベンダー側の仕事ではありません。ユーザ側がベンダーに提示するためにまとめる定義書です。繰り返しになりますが、ユーザ側は経営戦略に整合したIT戦略の策定を行う中で課題を可視化し、自社(または自部門)の新業務プロセスをまとめます。そして、これを次期ITの要求事項としてベンダーに提示する形式的なもの「要求定義書」として作成します。要求の定義なしにユーザ側はベンダー側に要件定義をしろ、とは言えません。

ベンダー側はこの「要求定義書」を元に「ユーザ要件のシステム定義」をします。ベンダー側はユーザ側が定義 したものを「そのまま」システム開発する訳にはいきません。なぜならば、技術的な見解からの実現可否やコスト面、スケジュール、品質等を勘案しなければならないからです。

もちろん、ユーザ側に技術力があれば要求定義から要件定義にまで発展させ、設計以降をどうするか考えればいいでしょう。

しかし、その反面、ベンダー側には「言われた通りにシステム化すればいい」という考えではいかなくなります。要件定義能力が問われることになります。ここが崩れると以降のフェースがうまく進みません。

とは言え、要求定義もかなり難しい作業です。場当たり的な問題を抽出するのみに留まるケースも多々存在します。どのように進めてゆけばいいのか?そこは、いつでもご相談下さい。一緒に汗をかいて頑張ります!

0 件のコメント:

コメントを投稿