先日、社内のITC-SIGにて話題に出ました「BOP:Bottom of the Pyramid」についてチョッと解説してみます。
このBOPとは、「所得階層を構成する経済ピラミッドの底辺層」を意味します。
世界で約40億人以上とも言われている「1日の所得が5ドル以下で生活する貧困層」を指しますが、この層は「潜在的な成長市場」として注目されつつあります。何と言っても「世界総人口の70%以上の大きな市場」なのです。とは言え、貧困層を相手にビジネスは成立するのでしょうか?
貧困層を支援しながら、購買力を持った消費者に変えるこの「BOPビジネス戦略」は、米ミシガン大学ビジネススクールのC・K・プラハラード教授が中心となって提唱しました。
経済産業省も、本年7月に「BOPビジネスへの政策的支援の方向性と具体的取組」の中で「新たな外需獲得の必要性と、そのための新たな商品・サービス開発の必要性」を述べています。少子高齢化が回避できない中、内需は期待できません。グローバル展開を視野に入れる必要がありますが、モノや情報に溢れる先進国と同時に、発展途上国の貧困層にも目を向けねばなりません。
具体的な実践としては、上記の「BOPビジネスへの政策的支援の方向性と具体的取組」から以下に一部引用しました。
●ユニリーバ
- 洗剤、シャンプー等を少量の小袋にして安価で提供(1袋1~4円)。
- トレーニングし、組織化した現地農村女性が製品を戸別販売。女性自立に貢献。
- 現地政府、ユニセフ、NGO等が「手洗い推進キャンペーン」により側面支援。
●住友化学株式会社
- マラリア予防用に殺虫剤を練込んだ糸使用の蚊帳「オリセットネット」を開発。国際機関の支援により、50以上の国々に供給。
- 殺虫効果が5年以上持続し、経済的・効果的にマラリアを予防できる点が高く評価され、需要が拡大。
- タンザニアで生産を行い、約7,000人の雇用を創出。地域経済発展にも貢献。
●日本ポリグル株式会社
- 水質浄化剤の製造を行っている中小企業(大阪府大阪市)。
- この水質浄化剤を活用し、バングラデシュにおいて安全な飲み水の普及に取り組んでいる。更に、現地の女性による販売ネットワークを構築中。
投資したその土地で雇用を確保し、消費者を創出する、そして皆が幸せになれるビジネス。豊かで便利、安心できる社会が広がればいいですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿