ここのところ猛烈な寒さに見舞われています。皆さん、お体大丈夫でしょうか?国内のみならず、世界的にも豪雪被害が相次いでおります。路面の凍結等にご注意を。
さて、IT戦略で導かれた新業務プロセスを実現するために、スクラッチ開発(1から設計・開発する方法)以外に、デファクトスタンダードである業務パッケージ製品(ERPパッケージソフト等)を想定し、これを軸に検討するケースがあります。今日は後者の導入方法論について考えて見ようと思います。
大きく分けて、業務パッケージ製品の導入方法論は2通り考えられます。
1つ目は不適応部分(Gap)を明確にし、これのカスタマイズ(追加開発)を行う「Fit&Gap」方式での進め方です。当初想定された次期業務プロセスを軸にパッケージとのGapを明確にし、「合わない部分を作る」ことを前提とします。この方式では、カスタマイズ費用の増大に加え、カスタマイズ部分が業務パッケージの次期バージョンアップ計画に追随できないケースが考えられます。
2つ目は検討段階にて絞り込んだ業務パッケージの業務プロセスに適合させることを前提とする「フィッティング」方式です。 ここで発生するGapは業務パッケージ側に手を入れるのではなく、次期業務プロセス自体を業務パッケージに合わせることになります。安価にIT化を実現でき、業務パッケージの次期バージョンアップ計画への対応は容易ですが、今まで培ってきた業務プロセスを一部捨てることになりかねます。
また、業務パッケージと言っても「良いところを盛り込んだ事例のカタマリ」であることから、潜在的な課題が浮き彫りにされるメリットもありますが、その反面、業種・業態・企業文化等が無視され、課題の本質を見誤る可能性も秘めています。
デファクトスタンダードと言っても世の中に存在するERPパッケージの多くは、販売管理=商社・卸売業、生産管理=組立(アッセンブリ)業を想定しているので、装置(プロセス)産業(食品・化学・製薬・窯業製造業等)に於いては適応が難しいでしょう。
先日、基幹業務システムの再構築を検討されている企業に訪問しました。プロジェクトを立ち上げ、顕在している課題があるものの、その先をどのように進めて行けばいいのかを躊躇されていました。
とどのつまり、IT化は手段であり、目的ではありません。最も大切なことは業務の部分最適ではなく、経営戦略との整合です。
このブログでも色々お話してきましたが、経営戦略と整合したIT戦略の策定、そしてその実践、評価、改善が必要です。
私も皆さんの課題と直面して、その課題は経営戦略のどの部分と整合するかや現場業務を活かせる打開策、経営者が納得するシステム化の成功要因の特定、そのお力添えができるよう頑張りたいと思います。是非、ご用命を。
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