2011年2月5日土曜日

「戦略」と「戦術」ってどう違う?

ここ最近のテーマとして、「経営戦略」について書いてきました。この「戦略」は希に「戦術」と混同して使われる場合があります。これらの違いは何処にあるのでしょうか?今回のテーマは「戦略」と「戦術」の違いについて書いて見ようと思います。

経営戦略には大きく分けて「全社レベル(企業全体に関わる戦略)」「事業レベル(事業に於ける独自競争戦略)」「機能レベル(販売や生産、財務等の機能別戦略)」に分けられますが、あくまでも概念上の区分に過ぎず、個々が深く関わっているため明確に区分けすることはできないと言われます。

では「戦略」とは?経済学者:奥村昭博教授の表現をお借りすると、「戦略」とは「What(何を?)」で「戦術」は「How(どのように?)」となります。

例えるならば、奥さんが「今晩の夕食はご主人の大好物であるカレーにしよう(戦略:What)」と考えました。そして、スーパーで「特売の牛肉と玉ねぎ、じゃがいも、にんじんを買い、今までにない美味しいカレーを作りました(戦術:How)」。

この「戦略」と「戦術」の関係は相互依存的です。「戦術」が非実現的であれば当然、目的である「戦略」は達成できません。しかし、もっとも大切なことは「戦略」の策定です。この「戦略」が間違っていれば、例え完璧な戦術であっても成功には辿り着けません。同じく奥村昭博教授の言葉を再度、お借りするならば「ジグソーパズルをばらして、間違った『絵』を与え、完成させろ」と言うのに似ています。

そこで、前述のカレー戦略に例えます。

ご主人は今日の昼食に「カレー」を食べていたのです。ご主人は帰宅するや否や、「焼き魚が食べたい」と言いました。奥さんは「戦略の決定」を見誤っていたのです。(チャーハンやハンバーグなら被害は最小限に抑えられそうですが。)

経営戦略の決定は重大です。昨今の先行き不透明な時代に於いて、冒険はできません。ですが、「ご主人の大好物であるカレー」が選定理由であればリスクも多大です。もっと市場を見て、現場の声に耳を傾けていれば兆候を掴むことはできたかもしれません。

上述の「カレー戦略」は全社戦略と言うよりも事業戦略か、機能別戦略かも知れませんね。奥さんの戦略は「ご主人の大好物であるカレーを用意すること」を戦術に、「今日、百貨店で見たブランドバッグをおねだりすること」が、または、「このバッグを引っさげて来週の同窓会で友人に自慢したい」のか。。。

いずれにせよ、戦術の成否も大切ですが、戦略は企業経営に於いて、更に重要なファクターなんですね。

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